Mazda Zoom Zoom Forever, “Skyactiv-X”

https://blogs.yahoo.co.jp/fuji8888/37018118.html

新エンジン開発に垣間見えたマツダの執念
ハードルを越えたり、くぐったり?

s-IMG_090045th 東京モーターショー2017に展示された
マツダの新開発エンジン “Skyactiv-X”

マツダと言えば、”執念”のメーカー。 僕はそう思っているが、間違っていなかったようだ。 経営不振で米フォードの傘下に甘んじた時代も、親会社から禁止されたスポーツカー(2枚ドア)の開発を続けていた。 4枚ドアの乗用車だと言ってRX-8を創り、ハードルをくぐった。 その昔、幾つものハードルを越えて自動車用ロータリーエンジンを実用化し、エンジン開発に執念を見せたマツダが、東京モーターショーに新たなエンジンを出展した

Next Generation Gasoline Engine SKYACTIV-X: Technology Intro Film

 ロータリーエンジンは、ピストンとシリンダーで構成された一般的なレシプロエンジンよりも、様々な面で難しい。 例えば、燃焼行程。 燃料と空気の混合気全体を効率的に燃焼させなければならないが、燃焼室が細長く、点火プラグ2本で時間差の火花点火をしても燃焼の広がりが悪い。 これが、悪い燃費の一因になっている。 長年、マツダは燃費や出力向上のために、ロータリーエンジンで火炎伝播の解析や改善に取り組み、燃焼技術を蓄積していると思う。

weAiJDLWankel Rotary Engine (imgur.com)

 デーゼルエンジンのように点火プラグに頼らず、圧縮されて高温になった空気に燃料を噴射し、混合気のあらゆる場所で自己発火(圧縮着火)すれば、短時間の効率的な燃焼になる。 しかし、これをガソリンエンジンで実現しようとすると、引火点や発火点温度がディーゼル燃料よりも低いガソリン燃料では、発火して欲しくないタイミングで燃焼する異常燃焼(ノッキング)が起きてしまう。 その為、ガソリンエンジンの圧縮比は10~12:1くらいで、ディーゼルの約14:1よりも低い。 ガソリンエンジンで圧縮着火が実現できれば、前述のロータリーエンジンも飛躍的な進歩を遂げ、今後も復活・継続するかも。

モーターショーのエンジン展示場所で再生されていた動画
Next Generation Gasoline Engine SKYACTIV-X: Technology Intro Film 2017/10/24

■今回、マツダが独自開発した”Skyactiv-X”は、ガソリン燃料をディーゼルエンジンのように圧縮着火させることに成功したレシプロエンジン。 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特徴を融合した事から、クロスオーバーと言う意味で”X”が付いている。 一足早く実用化した第一世代の”Skyactiv-G”では、ディーゼルエンジン並みの圧縮比15:1で高効率燃焼を達成し、燃費と出力を向上させている。

空気を送り込む高応答エア供給機で圧縮着火燃焼をサポート
(ベルト駆動されたスーパーチャージャーのように見える部品)

 ガソリンは燃料の特性上、ディゼールエンジンのように高圧を保持して燃焼室に噴射できない。そこで、予混合燃料圧縮着火(Homogeneous Charged Compression Ignition:HCCI)と呼ばれる燃焼方式を用いる。 これは、ガソリンと空気を予め均質に混ぜ、圧縮により着火させる方式。 火花点火では燃えないような薄い混合気でも、高圧縮されると素早く完全に燃焼する。

エンジン 2マツダは圧縮着火の制御に、点火プラグを利用している。b4inwvtibd5nijbemn4n.gif
(GIF from jalopnik.com)

 ”Skyactiv-X”では、圧縮比を16~17:1まで高め、驚異の超希薄空燃比30(通常は14.7)により、これまで存在しなかったエンジンを実現している。 圧縮着火と従来の火花点火を組み合わせた燃焼方式で、圧縮着火のプロセスを完全に制御する技術を構築。 マツダでは、火花点火制御圧縮着火(Spark Controlled Compression Ignition:SPCCI)と呼んでいる。 これにより、エンジンレスポンスとトルクを向上し、NOx発生量も削減する。 また、ハイブリッド車並みの燃費になるらしい。

s-IMG_0895新エンジンの説明員は、質問攻めで大変そうだが、嬉しそうでもあった。
「燃焼状態を検出する燃焼室センサーは?」
「高圧縮比に対応したエンジン剛性の確保や振動対策は?」

■一方、世界各国や地域、自動車メーカーは、電気自動車EVの方向へ加速している。 デーゼルエンジンやガソリンエンジンを搭載する自動車は、近い将来、販売できなくなる。 更に、全く排ガスを出さないゼロエミッションが要求されると、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド自動車も販売できなくなる。

エンジン付き自動車の販売や走行禁止
フランス:2040年までに国内におけるガソリン車およびディーゼル車の販売を禁止する方針だが、ハイブリッド車は対象外。
イギリス:2040年までにガソリン車とディーゼル車の自国での新規販売を禁止する方針。 モーターとガソリンあるいはディーゼルエンジンを組み合わせたハイブリッド車の販売も40年までに終了。
ドイツ:2030年までに発火燃焼エンジン(ディーゼル/ガソリン自動車)を禁止する方針。
オランダ:2025年以降、ガソリン車とディーゼル車の新たな販売を禁止。
ノルウェー:2018年から2029年あたりでの化石燃料車禁止を検討中。
スウェーデン:環境相がEU全体でガソリン車およびディーゼル車の販売を禁止すべきと発言。
中国:ガソリン車販売禁止工程表の作成に着手。ニューエネルギーヴィークル(NEV法を2019年に実施し、中国国内で自動車を製造する事業者に対してNEV(HVやEV)の販売目標達成を義務化する。
アメリカ:現在は、年間6万台以上販売する自動車メーカー(クライスラー、フォード、GM、トヨタ、日産、ホンダ)に対し、EVや燃料電池車などの有害なガスを出さない車ZEVの販売割合を義務付けている。 違反した場合は罰金、又は他社からクレジットを購入。 今後は、2018年に4.5%(この年からハイブリッド車HVは、ZEVから除外される)、2020年に約9.5%、2025年に22%となる。 2018年以降は、BMW、ダイムラー、現代、起亜、マツダ、VW、スバル、ジャガー、ランドローバー、ボルボもZEVの販売割合は異なるが、対象となる。2050年以降は、ZEV法によりカリフォルニア州などの8つの州でガソリン車とディーゼル車の販売が禁止される。

ボルボ:2019年以降に発売する全ての車をEVやHV車にする戦略。
フォルクスワーゲン:2025年までに30車種以上のEVを投入する計画。
トヨタ自動車:2050年をメドにエンジン車をほぼゼロにする計画。

■こんな状況になりつつある中、8月、マツダはトヨタと資本提携した。 電気自動車EVを共同開発する狙いがあるらしい。 そして、新たに開発したエンジン”Skyactiv-X”は、2019年にマツダの乗用車に搭載して販売する計画。 「ヨーロッパの規制をどうやってクリアするのか? 今後も燃焼式エンジンの開発を進めて、意味があるのか?」 こんな疑問をエンジン説明員ではなく、近くにいた説明員に投げかけてみた。 (新エンジンの説明員は開発部署のメンバーである可能性が高いので気を遣ったのと、企画関連部署の方らしき説明員がいたから)

 得られた回答は、”マイルドハイブリット”。 驚いた。「 ”Skyactiv-X”には、減速時のエネルギーを利用して発電し、加速時に蓄電した電力を活かしてエンジンをアシストするモーターが付いています。」 これにより、更に燃費を向上するハイブリッドシステムになっている、との事。

s-IMG_0902-2.jpgオルタネーター(or 発電機)兼用のモーター
ISG(integrated starter motor generator)や
ECOモーター(Energy Control Motor)と呼ばれており、
パラレルハイブリッド車に搭載されている。

 「そんなアシストモーターがエンジンの何処に付いているの?」数分前に撮影したデジカメのモニター画面を指差しながら、説明員に聞いてみた。 「ここに付いています。」 それは、オルタネーター(発電機)と見違える容姿のモーター。 「動力を伝えるベルトに 何か工夫はありますか?」 回答は「・・・」。

 マツダは、再び大きなハードルを越えた。 と同時に、言葉は悪いが、世の中のハードルを潜ったようだ。 今回のモーターショー見学では、エンジン開発に一徹なマツダの意地を垣間見た。 近い将来、Zoom-Zoom ブーン ブーンと”本物のエンジン音”を響かせて走るクルマは、世界シェア2%のマツダだけになるかも!

つづく

東京モーターショー2017 見学 その2

■確かに将来のクルマは、電気自動車EVになるのでしょう。 ソーラー発電パネルで発電し、水を電気分解してFCV用の水素を取り出すというシステムも現実化している。 でも、バッテリー充電やFCV用水素充填の設備が無い僻地や住宅環境では、ガソリンやディーゼル燃料を補給する従来の”発火燃焼エンジン搭載車”やHVが現実的。 勿論、ノートe-POWERのようなシリーズハイブリッドや一般的なエンジン併用スプリットハイブリッドでもいい。 やはり、エンジン搭載自動車は、絶滅しないのかも。

東京モーターショー2017 見学 その1 2017/11/1
ディーゼル自動車の排ガス Diesel emissions 2017/10/5
Nikola One, Zeo Emission Truck 燃料電池搭載の電動トラック 2016/9/16

mazda.com
次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」
SKYACTIV-G
car.watch.impress.co.jp ★
マツダ、次世代エンジン「SKYACTIV-X」など長期ビジョン説明会 2017/8/9
newcars.jp 2017/1/9、2017/8/8更新
マツダが世紀の大発明! HCCIの新エンジン・・・
シリーズハイブリッドとレンジエクステンダーEVの違いは?
シリーズハイブリッドとは何?ハイブリッド3種のメリット・デメリット
response.jp 2017/10/11
マツダ SKYACTIV-X はこれまでのエンジンと何が違うのか
clicccar.com 2017/8/9
マツダの「SKYACTIV-X」はロータリーエンジン以来の「量産化」という快挙!?
diamond.jp 2017/9/7
マツダ次世代エンジン「SKYACTIV-X」の世界初試乗は驚きの連続!
newswitch.jp 2018/4/6
「スカイアクティブX」エンジンとHCCIの違いを教えよう

jalopnik.com
Be Amazed By The Inner Workings Of Mazda’s ‘Holy Grail’ Skyactiv-X Engine
roadandtrack.com
How Mazda’s Compression-Ignition Gas Engine Runs Like a Diesel Without Blowing Up

mitsubishi-motors.co.jp
マイルドハイブリッドシステム
car-moby.jp 2017/8/11
マイルドハイブリッド(MHEV)方式とは?スズキの登録商標?搭載車一覧も

monoist.atmarkit.co.jp 2017/7/31
ロータリー、Zoom-ZoomからSKYACTIVへ、世界シェア2%のマツダが選んだ道
newswitch.jp 2017/7/6
マツダが生き残るために大切にする7つの軸
newautocar.info 2016/5/2
マツダは本当に欧州で人気があるのか? 世界各地域でのシェア
trafficnews.jp 2017/4/2
教習車、なぜ「アクセラ」ばかり? 背後にあるマツダの狙いとは

wiki
ガソリン直噴エンジンディーゼルエンジンハイブリッドカー
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
ディーゼルエンジンは、何故軽油を使うのか?
ディーゼルエンジンの回転数が、ガソリンエンジンに比べ低い理由
ガソリン車とディーゼル車、エンジン等しくみの違い

arb.ca.gov
Zero Emission Vehicle (ZEV) Program
blog.evsmart.net 2017/8/20、2019/06/13 更新
各国のガソリン車・ディーゼル車販売禁止の状況
BBC.com
英、ディーゼル車とガソリン車の新車販売を2040年以降禁止へ 2017/7/26
中国、ガソリン車やディーゼル車の生産・販売禁止を検討 2017/9/11

END

Advertisements

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google photo

You are commenting using your Google account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.